日経新聞2020年元旦号 『富の源泉はモノの大量生産から知識や情報にシフト』

2020年1月1日の年頭企画

逆境の資本主義〜さびつく成長の公式〜

こんな書き出しで始まります。(リード文より)

『資本主義の常識がほころびてきた。資本を集め、人を雇い、経済が拡大すれば社会全体が豊かになる。そんな「成長の公式」が経済のデジタル化やグローバル化で変質し、格差拡大や環境破壊などの問題が噴き出す。この逆境の向こうに、どんな未来を描けばいいのだろうか。』

デジタル事業の価値が拡大し、無形資産が多い企業の成長が加速、製造業の雇用はピークアウト、先進国では格差が開く一方、世界全体では貧困層が減少している。

資本主義とは、モノやサービスの生産手段(資本)を持つ資本家が労働者を雇って商品をつくり、稼いだ利益を投資に回して成長につなげる経済システムのことで、1602年オランダ東インド会社設立や1700年代後半の英産業革命がきっかけとなり、封建主義から資本主義経済は世界に広がっていった。(詳細は関連特集で後述

しかし、企業や個々人の利益追求が結果的に社会全体を豊かにするとして、「自由競争の勝者が富を生み、それが社会全体に広がる」そんな資本主義の常識が通じなくなってきているとか。

働く車上生活者

米国シリコンバレーを中核とした都市では、I T産業が急成長することで、高収入のI T人材が大量に流入した結果、住宅費や生活費が高騰し、工場や飲食店などで働く人たちが車上生活を余儀なくされていることを、私は知らなかった。

デジタル化の波

経済のデジタル化で富の源泉は知識や情報、データに移った。I T産業は高い知能スキルを持つひと握りの人材を求めるだけで、社会が雇用を生み出す力は弱まり、製造業では労働者が減り、所得の二極化も進みやすくなる。富の偏りが成長を鈍らせ、極端な金利低下を引き起こしている。資本主義経済で成長のけん引役を担う企業の「株主のために利益を稼いでいればいい」としてきた米国型の資本主義は修正を迫られてきている。

関連特集6、7面「逆境の資本主義」の関連記事

資本主義は何度も試練を乗り越えながら、世界経済に成長をもたらしてきた。新たな逆境にどう立ち向かうのか。

歴史を振り返った図を解説

封建主義(領主の土地で農民が働かされる)に始まり
→ 重商主義(権力持った王様が貿易で稼ぐ)
→ カルビン主義(宗教改革で儲けることが認められた)
→ 産業革命到来(機械化で生産拡大、労働者は工場へ)資本主義が広がる
たびたび起こる大不況で労働者が貧困に
資本主義を批判し社会主義という政府主導の考え方を提唱(ドイツのマルクス)
→ 第1次世界大戦勃発
大戦で疲弊したロシアで革命が起こり、資本主義に対抗し社会主義国家ソ連が誕生
→ 世界大恐慌で株価急落で失業者が溢れる
ニューディール政策(政府の経済介入で危機脱出)
第2次世界大戦
資本主義の米国と社会主義のソ連が対立で冷戦時代
2度のオイルショック
新自由主義(政府の規制、経済介入はしない方がいい)
米国レーガン・英国サッチャー革命(市場に任せて競争促進)
社会主義陣営では計画経済が行き詰まる
東西冷戦の終結(ベルリンの壁崩壊
東側諸国が相次ぎ資本主義へ
資本主義経済のグルーバル化が加速し1人あたりの実質G D P増加で順調に見えた
リーマンショックで一転
深刻な気候変動
大国のリーダーは自由競争とは異なる保護主義国家資本主義を推し進めている
富は超富裕層に集まり、偏りが目立つ
経済のデジタル化でデータが価値を生む(I Tの巨人が市場を独占)
資本主義の土台が大きく揺らいでいる
資本主義はこれからどうなるのか?

特集27面は 年間予定2020年

今年は1月31日の「英国のE U離脱期限」、3月3日の「米大統領選予備選スーパーチューズデー」7月24日「東京五輪開会式」、11月3日「米大統領選挙」に世界中が注目していますし、経済に大きな影響が出るのかも?

特集記事30、31面は、恒例の経営者が占う2020年度、景気、株価予測

「高値2万5000円以上」「五輪後、消費息切れも」「投資は堅調底割れ回避」だそうです。

2020年は重大イベントが目白押し。

特に8月のオリンピック、11月のアメリカ大統領選。他にも、米中貿易摩擦や先行き不透明な中東情勢など世界中で覇権争いが勃発しています。2021年に向けて世界中が大きな調整局面を迎えるのかもしれません。

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以上、2019年日本経済新聞(第48068号) 元旦号からでした。

執筆 ファイナンシャルプランナー:堀江